溺愛しすぎるデスティニー 5-2(R18)
R18表現が含まれています。年齢に満たない方、物語の設定や内容が苦手な方は、閲覧をご遠慮下さい。
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「!」
次の瞬間、智秋は身体を真っ二つに引き裂かれる衝撃を感じた。
それはあっという間に脳天を突き抜け、頭の中が真っ白になる。
智秋は浜辺に打ち上げられた瀕死の魚のように、口をはくはくさせ、その身体は不規則にびくんびくんと震えていた。
お願い、誰か、助けて。
叫びたいのに、声が出ない。
北園の快楽を貪る声が、背後からクリアに智秋の耳に届く。
「はあっ……智秋チャンの中、最高。マジでいいわ」
智秋は、今、北園に、犯されている。
絶望の海にいきなり突き落とされた。
それでも溺れたくないと必死にもがく。
北園が海から出た智秋の頭を、無慈悲に押さえつける。
溺死させられるのだと絶望した。
北園に智秋への愛はない。あるのは突発的な性欲。
優しさのかけらもない激しい抽挿が続いている。
淫靡な水音が智秋の耳すら犯す。塞ぎたくても手が動かない。
智秋は心を閉ざして無になる。それしか自我を守る術がないと無意識に悟ったのだ。
(あれが、俺?)
いつの間にか俯瞰で自分を見下ろしている不思議な感覚。
それは夢か、現実か。
しかし。
北園に貫かれて身悶えているのは。
聞くに耐えない甘い喘ぎ声を発しているのは。
まぎれもなく、智秋だ。
(感じてなんかいない! 気持ちよくない! なのに、なのに、なんで俺は……)
「もっと、強く突いて、北園!」
「ああっ、イッちゃう!」
(だらしなくよだれをたらして、悦んで、北園を求めているの……?)
忘我のアルファとオメガが、本能のまま絡み合っている淫猥な地獄絵が、目前で繰り広げられている。
見たくなくて目を反らしても、智秋のみっともないよがり声が、それを許さない。
北園は何度も智秋の中で白濁を放った。
ヒート時、アルファの射精時間はかなり長い。受精率を上げるための、アルファの特性だ。
「あー、わるい。智秋チャン、俺、ゴム、つけてなかったわ。つか、ゴムなんて、うちにはねえんだけどさ」
北園の非情な言葉が、イキっぱなしだった智秋の頭を、すうっと現実に引き戻す。
(それって……妊娠……)
「や、やだ、やだ」
「ああっ?」
智秋は無意識に逃げ出そうとした。
北園に背後からのしかかられていて、身動き出来るはずがないのに。
「ああっ!」
智秋の背中に強烈な痛みが走り、背後から殴られたのだと知る。
「オメガの役割は、二つしかねえんだよ。アルファの性欲処理と、俺らの子どもを産む。おまえらはな、アルファのおもちゃなんだよ! なのに一人前にいやとか、拒否とかしてんじゃねえよ。甘やかしたらつけあがりやがって」
快楽より痛みの方がましだ。
智秋を痛めつけて気が済むなら、もっとぼこぼこにして欲しい。
だがその願いは叶えられなかった。
その代わり、智秋は北園にその後何度も蹂躙され、快感を罰として与えられた。
獣のように背後から犯され続け、智秋は人間扱いすらされていないのだと知る。
心の悲鳴はうらはらに甘い嬌声に変換されて、助けを求める声は、誰にも届かないままだ。
智秋は狂おしいほどに感じすぎて、意識を失うが、頬を叩かれて無理やり覚醒させられる。
そのたびに、終わらない悪夢に絶望するのだ。
真っ暗な海でもがき苦しむ智秋。
手を伸ばしても、そこは海の底。
黒い水があるだけ。
地獄から解放されたのは、午後十時過ぎだった。
「汚えからシャワーしてこいよ」
獣じみたセックス後、汗と体液で、二人はどろどろになっていた。
北園はバスルームからすっきりした顔で戻ってきて、親切にも智秋にもそれを勧める。
だが智秋が力なく首を横に振って断ると、それ以上無理強いはしなかった。
そこまで親切にするつもりもないようだ。
智秋は自分の身体を見た。
下半身を暴かれたのは覚えているが、いつ全裸になったのか、記憶がさだかではない。
だが上半身の服は、着ている本人が協力しなければ、脱ぐのは難しい。
アルファは性欲を発散しつくすと、ヒートが収束する。
飢えた獣だった北園は、いつもどおりの意地悪な高校生に戻っていた。
そして何よりも驚いたのは、智秋自身の状態だ。
特効薬を打っていないにもかかわらず、智秋の症状はすっかり収まっている。
智秋は知っているのだ。
発情期は、薬に頼らず、性衝動をセックスで解放させるのが一番効果的であることを。
だが同意なき性交を智秋は望んでいない。
それなのに自らの強すぎる性欲は、智秋に自我を失わせて、北園の陵辱を嬉々として受け入れてしまった。
智秋はそんな自分を憎んだ。
「智秋チャン、また遊ぼうぜ」
さっきまで乱暴だった北園は、友人と遊ぶ約束をするかのように馴れ馴れしく、罪のかけらさえもないのだと思い知る。
きっとこんな出来事は、彼にとって日常茶飯事なのだろう。
智秋はそっと首元のチョーカーに手をあてる。
それは容易には外せないし、噛みつかれたくない箇所を固く防御してくれる、優れものだ。
(噛みつかれなくて本当によかった……)
「ぼうっとしてないで、さっさと着替えろ」
性欲処理の役割が終了した智秋に、北園はすっかり興味を失っている。
それはそれでありがたい。このまま疎遠になりたかった。
智秋は無言で、機械のように、脱ぎ散らかした服を再びまとっていく。
上着を手にした時、床の上に転がるあるものを見つけた。
特効薬がしこまれた注射器だ。
やはり床に落としていた。拾い上げてポケットにしまう。
(後生大事に身に着けていたのに、いざという時、ちっとも役に立たなかったな……)
「タクシー呼んでやる」
上辺だけの親切なんて、要らないのに。
道路に打ち捨ててくれたほうが、どれだけましか。
だが断る気力すら、もはや智秋にはなかった。
次の瞬間、智秋は身体を真っ二つに引き裂かれる衝撃を感じた。
それはあっという間に脳天を突き抜け、頭の中が真っ白になる。
智秋は浜辺に打ち上げられた瀕死の魚のように、口をはくはくさせ、その身体は不規則にびくんびくんと震えていた。
お願い、誰か、助けて。
叫びたいのに、声が出ない。
北園の快楽を貪る声が、背後からクリアに智秋の耳に届く。
「はあっ……智秋チャンの中、最高。マジでいいわ」
智秋は、今、北園に、犯されている。
絶望の海にいきなり突き落とされた。
それでも溺れたくないと必死にもがく。
北園が海から出た智秋の頭を、無慈悲に押さえつける。
溺死させられるのだと絶望した。
北園に智秋への愛はない。あるのは突発的な性欲。
優しさのかけらもない激しい抽挿が続いている。
淫靡な水音が智秋の耳すら犯す。塞ぎたくても手が動かない。
智秋は心を閉ざして無になる。それしか自我を守る術がないと無意識に悟ったのだ。
(あれが、俺?)
いつの間にか俯瞰で自分を見下ろしている不思議な感覚。
それは夢か、現実か。
しかし。
北園に貫かれて身悶えているのは。
聞くに耐えない甘い喘ぎ声を発しているのは。
まぎれもなく、智秋だ。
(感じてなんかいない! 気持ちよくない! なのに、なのに、なんで俺は……)
「もっと、強く突いて、北園!」
「ああっ、イッちゃう!」
(だらしなくよだれをたらして、悦んで、北園を求めているの……?)
忘我のアルファとオメガが、本能のまま絡み合っている淫猥な地獄絵が、目前で繰り広げられている。
見たくなくて目を反らしても、智秋のみっともないよがり声が、それを許さない。
北園は何度も智秋の中で白濁を放った。
ヒート時、アルファの射精時間はかなり長い。受精率を上げるための、アルファの特性だ。
「あー、わるい。智秋チャン、俺、ゴム、つけてなかったわ。つか、ゴムなんて、うちにはねえんだけどさ」
北園の非情な言葉が、イキっぱなしだった智秋の頭を、すうっと現実に引き戻す。
(それって……妊娠……)
「や、やだ、やだ」
「ああっ?」
智秋は無意識に逃げ出そうとした。
北園に背後からのしかかられていて、身動き出来るはずがないのに。
「ああっ!」
智秋の背中に強烈な痛みが走り、背後から殴られたのだと知る。
「オメガの役割は、二つしかねえんだよ。アルファの性欲処理と、俺らの子どもを産む。おまえらはな、アルファのおもちゃなんだよ! なのに一人前にいやとか、拒否とかしてんじゃねえよ。甘やかしたらつけあがりやがって」
快楽より痛みの方がましだ。
智秋を痛めつけて気が済むなら、もっとぼこぼこにして欲しい。
だがその願いは叶えられなかった。
その代わり、智秋は北園にその後何度も蹂躙され、快感を罰として与えられた。
獣のように背後から犯され続け、智秋は人間扱いすらされていないのだと知る。
心の悲鳴はうらはらに甘い嬌声に変換されて、助けを求める声は、誰にも届かないままだ。
智秋は狂おしいほどに感じすぎて、意識を失うが、頬を叩かれて無理やり覚醒させられる。
そのたびに、終わらない悪夢に絶望するのだ。
真っ暗な海でもがき苦しむ智秋。
手を伸ばしても、そこは海の底。
黒い水があるだけ。
地獄から解放されたのは、午後十時過ぎだった。
「汚えからシャワーしてこいよ」
獣じみたセックス後、汗と体液で、二人はどろどろになっていた。
北園はバスルームからすっきりした顔で戻ってきて、親切にも智秋にもそれを勧める。
だが智秋が力なく首を横に振って断ると、それ以上無理強いはしなかった。
そこまで親切にするつもりもないようだ。
智秋は自分の身体を見た。
下半身を暴かれたのは覚えているが、いつ全裸になったのか、記憶がさだかではない。
だが上半身の服は、着ている本人が協力しなければ、脱ぐのは難しい。
アルファは性欲を発散しつくすと、ヒートが収束する。
飢えた獣だった北園は、いつもどおりの意地悪な高校生に戻っていた。
そして何よりも驚いたのは、智秋自身の状態だ。
特効薬を打っていないにもかかわらず、智秋の症状はすっかり収まっている。
智秋は知っているのだ。
発情期は、薬に頼らず、性衝動をセックスで解放させるのが一番効果的であることを。
だが同意なき性交を智秋は望んでいない。
それなのに自らの強すぎる性欲は、智秋に自我を失わせて、北園の陵辱を嬉々として受け入れてしまった。
智秋はそんな自分を憎んだ。
「智秋チャン、また遊ぼうぜ」
さっきまで乱暴だった北園は、友人と遊ぶ約束をするかのように馴れ馴れしく、罪のかけらさえもないのだと思い知る。
きっとこんな出来事は、彼にとって日常茶飯事なのだろう。
智秋はそっと首元のチョーカーに手をあてる。
それは容易には外せないし、噛みつかれたくない箇所を固く防御してくれる、優れものだ。
(噛みつかれなくて本当によかった……)
「ぼうっとしてないで、さっさと着替えろ」
性欲処理の役割が終了した智秋に、北園はすっかり興味を失っている。
それはそれでありがたい。このまま疎遠になりたかった。
智秋は無言で、機械のように、脱ぎ散らかした服を再びまとっていく。
上着を手にした時、床の上に転がるあるものを見つけた。
特効薬がしこまれた注射器だ。
やはり床に落としていた。拾い上げてポケットにしまう。
(後生大事に身に着けていたのに、いざという時、ちっとも役に立たなかったな……)
「タクシー呼んでやる」
上辺だけの親切なんて、要らないのに。
道路に打ち捨ててくれたほうが、どれだけましか。
だが断る気力すら、もはや智秋にはなかった。
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