I wish for 04
※ ※ ※
帰宅して、すぐに風呂を沸かす。
どちらが先に入るかで揉めて、じゃんけんで三敗したほうが先に入ることにした。
結果は聖人の全勝。
俺は後でいいのに、とぶつぶつ文句を言いながら、伊織が風呂場に向かった。
だがすぐに出てくる。
あいかわらずカラスの行水だ。
真冬だというのに、首からタオルをかけて、上半身は裸。
下は、寝間着代わりのハーフパンツを履いている。
細身で綺麗な筋肉を纏った体躯は、凶悪なほどに色っぽくて、何度見ても慣れない。
僕も入ってくる、とさっと目を逸して、入れ違いに脱衣所に逃げ込んで、ふうっとため息をはいた。
聖人も緊張しているのだ。
いまさら初心ぶるつもりはないけれど、何度経験しても恥じらってしまうのはどうしようもない性分だ。
脱衣所で全裸になり、風呂場の扉をあけるとむうっと熱い蒸気が身体を包む。
湯船につかって、ほうっと深い息が漏れる。
これって無意識にストレス解消してるんだっけ……とどうでもいい豆知識が頭を過る。
しばらく湯船に浸かっていたら、うとうとして、頬がお湯に触れたはずみで目がぱっちりさめた。
慌てて湯船を出て、体中を念入りに洗う。
もちろん挿入される場所を洗浄、慣らすのも忘れない。
思ったより長風呂になってしまい、のぼせる寸前だ。
パジャマを着て、ぱたぱたダイニングに行くと、伊織の姿がない。
「あれ……?」
寝室として使っている和室の襖が開いている。
そっと覗いてみると、伊織は上半身裸のまま、仰向けに眠っていた。
「風邪引いちゃうよ」
伊織は少しだけ横になるつもりだけだったのだろう。
掛け布団の上に寝てしまっている。
聖人は自分が使っている掛け布団をそっと伊織にかけた。
健やかに眠る伊織の顔を眺める。
聖人の我儘を叶えるために、空港まで付き添ってくれた伊織。
和也と聖人の関係に不安を覚えたと、弱音を吐いた伊織。
「ごめんね……」
起きている時よりも、幼い顔つき。
突然、愛おしさが募って、胸がきゅうっとしめつけられる。
「伊織くん……好きだよ」
頬にちゅっと唇を落とした。
少し身動ぐが、起きる気配はない。
熟睡しているようだ。
聖人とエッチをするんだと楽しみにしていたのに、と思うと微笑ましい。
寝ている人を無理やり叩き起こしたくない。
少ししたら起こしてあげよう。
それまで添い寝していいかな。
そっと布団をめくり、伊織の隣に寄り添う。
温もりとほのかなボディソープの香り。
風呂場で眠ってしまったのと同じ原理だろう。
リラックスした聖人はすぐに眠りに落ちてしまうのだった。
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どちらが先に入るかで揉めて、じゃんけんで三敗したほうが先に入ることにした。
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俺は後でいいのに、とぶつぶつ文句を言いながら、伊織が風呂場に向かった。
だがすぐに出てくる。
あいかわらずカラスの行水だ。
真冬だというのに、首からタオルをかけて、上半身は裸。
下は、寝間着代わりのハーフパンツを履いている。
細身で綺麗な筋肉を纏った体躯は、凶悪なほどに色っぽくて、何度見ても慣れない。
僕も入ってくる、とさっと目を逸して、入れ違いに脱衣所に逃げ込んで、ふうっとため息をはいた。
聖人も緊張しているのだ。
いまさら初心ぶるつもりはないけれど、何度経験しても恥じらってしまうのはどうしようもない性分だ。
脱衣所で全裸になり、風呂場の扉をあけるとむうっと熱い蒸気が身体を包む。
湯船につかって、ほうっと深い息が漏れる。
これって無意識にストレス解消してるんだっけ……とどうでもいい豆知識が頭を過る。
しばらく湯船に浸かっていたら、うとうとして、頬がお湯に触れたはずみで目がぱっちりさめた。
慌てて湯船を出て、体中を念入りに洗う。
もちろん挿入される場所を洗浄、慣らすのも忘れない。
思ったより長風呂になってしまい、のぼせる寸前だ。
パジャマを着て、ぱたぱたダイニングに行くと、伊織の姿がない。
「あれ……?」
寝室として使っている和室の襖が開いている。
そっと覗いてみると、伊織は上半身裸のまま、仰向けに眠っていた。
「風邪引いちゃうよ」
伊織は少しだけ横になるつもりだけだったのだろう。
掛け布団の上に寝てしまっている。
聖人は自分が使っている掛け布団をそっと伊織にかけた。
健やかに眠る伊織の顔を眺める。
聖人の我儘を叶えるために、空港まで付き添ってくれた伊織。
和也と聖人の関係に不安を覚えたと、弱音を吐いた伊織。
「ごめんね……」
起きている時よりも、幼い顔つき。
突然、愛おしさが募って、胸がきゅうっとしめつけられる。
「伊織くん……好きだよ」
頬にちゅっと唇を落とした。
少し身動ぐが、起きる気配はない。
熟睡しているようだ。
聖人とエッチをするんだと楽しみにしていたのに、と思うと微笑ましい。
寝ている人を無理やり叩き起こしたくない。
少ししたら起こしてあげよう。
それまで添い寝していいかな。
そっと布団をめくり、伊織の隣に寄り添う。
温もりとほのかなボディソープの香り。
風呂場で眠ってしまったのと同じ原理だろう。
リラックスした聖人はすぐに眠りに落ちてしまうのだった。
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